「コイツがいなくなれば平和になるのに」
皆がそう思っていた人を、殺す計画をした。
大丈夫、夢のはなし。
実行する、その瞬間まで、私も周りも「ジャマな奴だ」と思っていた。
腹立たしくて、奴がいなければ毎日はどんなに平和だろうと思っていた。
その時がきた。
「準備はできたか」
もう一人が捕まえてきて、奴ももうそこにいて、私が準備できていれば、計画は実行される、そんな場面だ。
ただ、夢なので、犯行現場はショッピングモールの駐車場。
ほぼ満車の中、荷台を開けてそこで釣りの準備のようなことをしていた私。
もう一人の実行犯は、地元で悪役といったらあの人、と言えるような(ワルではない。あくまでも悪役。)お方。(ごめんなさいね。)
気になるでしょう、”奴”はというと、設定はほんとに架空。
なぜか姿は、小学生の時にやっていたテレビ番組「学校へ行こう!」の歌ネタのコーナーで出演していた尾崎豊の替え歌を歌う「尾崎豆」さんだった。
先日、10数年前のこの番組が特番で再放送されていて、嬉し懐かしのインパクトだと思う。尾崎豆、大好きなんで。はい。
私は準備ができていた。
でも、急になんだか、腹立たしさがスゥーっと抜けていき、殺すとは何事かを実感していた。
手が震えた。心が震えた。
自分が殺人犯になって刑務所へ入れられる、そんなことは全く考える余地もなく
ただただ「殺す」ということは、一つの命がなくなることで、どんなに嫌な人だとしても、命をなくす価値はないんだ、と
そんな当たり前のことを、目の当たりにしたところで、肌で実感していた。
その時も、今までも、きっと冷静なんて保てていなかった。
もう一人の彼も、「まだか!」と言いつつ、やっぱり動揺しているように見えた。
でもきっと彼はヤるだろう。
恐怖を越えて、やると決めたことはやる、という強さと覚悟があるだろう。
そう、計画は何が何でも実行しなければ、いけない。
私は、私は、、、
「準備、できたよ!」
そう言って、なんとその場から走って逃げてしまった!
なんという!
止めることもできず、
実行することもできない、
なんて弱い人間なんだろう。
でもその時の私の頭の中はパンパンで
ただただひたすら
「一人いなくなるからって、平和になるわけない!」
「一人いなくなるからって、平和になるわけない!!」
「一人いなくなるからって、平和になるわけない!!!」
と、心で叫んでいた。
「あいつがいなければ平和なのに」
そう思っていたあの心は、本当に愚かだった、とやっと気付いたのだった。
それから、どのくらい時間が過ぎただろう、割と直ぐだったかもしれない。
後にしたその場所に、おそるおそる戻ることにした。
お願いだから、殺していませんように。
いくつもの車をかきわけ、自分たちの車のところへ。
するとそこには、
二人がこちらを見て、立っていた。
あぁ、よかった
尾崎豆も、ケロッとしていた。
もう一人の彼も、悶々としているようで、爽やかでいるようにも見えた。
同じような心境を乗り越えたんだろう。
そのあたりで、目が覚めた。
しばらく本当に体験したかのように恐ろしかったのだけれど、これは忘れたくない!と、書き起こしておいた。
恐ろしや、人を憎む気持ちなんて。
ほんとに恐ろしい。
完全に覚めるともう、人を殺しちゃいけないなんてわかりきったことだけれど、
ここではなんていうか、1人の個人の話ではなく、物事や社会でのこととしても当てはめてほしい。
○○がなくなればいいのに
○○が辞めればいいのに
でも
「○○がなくなったからといって平和になるわけじゃない!」
ということ。
それにしても
なんでこんな夢を見たのか(笑)
それは今、物語を考えているからだと思う。
「悪者を倒せば平和になる」というお話ではなく
「本当の悪なんかいない」悪者という被り物をとり剥がす、お話。
これを読んでる人も普段「殺そう」とまで思わないと思うけど
どうかどうか、「ヤツを倒そう」「アレさえ無ければ!」なんて思い始めたら
あれあれ、ちょっと待てよ。
と、一先ず心に留めて
本当の原因は、そこ一点じゃないかもしれないと探ってみると、、
こんど、高校の校長先生との話を、書きたいと思います。
それでは!
ありがとうございました。
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